歯の見た目を美しく整える方法として近年注目されている「ラミネートべニア(ラミネートベニア)」。短期間で白く整った歯並びを手に入れられることから、芸能人やモデルだけでなく、一般の方にも人気が高まっています。しかし、美しさを手に入れる一方で、「虫歯になりやすいのでは?」という不安の声も耳にします。
今回は、ラミネートべニアと虫歯の関係、注意すべき点や予防法について詳しく解説します。
そもそもラミネートべニアとは?
ラミネートべニアとは、歯の表面をわずかに削り、その上に薄いセラミックのシェル(板)を貼り付けて見た目を改善する審美歯科治療の一つです。一般的に以下のような悩みを持つ方に適しています:
- 歯の色が気になる(ホワイトニングで落ちない変色)
- 前歯の隙間(すきっ歯)がある
- 歯の形が不揃い
- 軽度の歯並びの乱れ
処置は比較的短期間で完了し、自然で美しい仕上がりが期待できます。

ラミネートべニアを装着すると虫歯になりやすい?
ラミネートべニアを検討している多くの方が気になるのが、「虫歯のリスクが増えるのではないか?」という点です。結論から言うと、「正しく施術され、適切にケアをすれば、虫歯になりやすくなるわけではない」が正解です。
ただし、いくつかの注意点を守らないと、虫歯のリスクは確かに上がることがあります。以下にその理由を解説します。
虫歯リスクが高まる原因とは?
1. 歯の削りすぎ
ラミネートべニアを装着するためには、歯の表面を0.3~0.7mm程度削る必要があります。これはエナメル質の一部を削ることを意味しており、防御力が落ちる可能性があります。削る量が多すぎると、象牙質が露出し、虫歯になりやすくなるケースもあります。
2. 接着の不備(マージンの不適合)
べニアと歯の接合部に隙間があると、そこに汚れや細菌が溜まりやすくなります。これがいわゆる「二次虫歯(虫歯の再発)」の原因となります。歯科医の技術によって差が出やすい部分でもあります。
3. セルフケアの不足
ラミネートべニアを装着したことで「歯がもう虫歯にならない」と思ってしまう方もいます。しかし、セラミック自体は虫歯になりませんが、土台の天然歯は変わらず虫歯になります。歯とべニアの境目は特に磨き残しが起きやすいため、セルフケアの重要性が増します。

虫歯を防ぐためにできること
では、ラミネートべニアをしたあとに虫歯を防ぐには、具体的に何をすれば良いのでしょうか。
1. 信頼できる歯科医を選ぶ
ラミネートべニアは非常に繊細な技術が求められる治療です。審美歯科としての経験が豊富で、適切な診断・削る量の判断・精密な接着ができる歯科医を選ぶことが最も重要です。
2. 定期検診を受ける
装着後も最低でも半年に一度、できれば3ヶ月に一度の定期検診を受けることで、虫歯の早期発見や、べニアの劣化チェックができます。
3. 正しいセルフケアの徹底
- 柔らかめの歯ブラシでやさしく丁寧にブラッシング
- フロスや歯間ブラシを併用する
- フッ素入りの歯磨き粉を使う
- うがい薬の活用
特に、べニアの境目を意識して磨くことが大切です。
ラミネートべニアをしても虫歯にならなかった例
実際にラミネートべニアをした方で、10年以上虫歯一つできずに維持しているケースも珍しくありません。共通しているのは、
- 信頼できる歯科医院で施術している
- 定期的にメンテナンスに通っている
- 丁寧な自宅ケアを怠らない
という点です。ラミネートべニアは魔法のような治療法ではありませんが、正しい方法で取り入れれば、美しさと健康を両立させることが可能です。

まとめ:ラミネートべニアと虫歯、両立は可能!
ラミネートべニアは見た目の美しさを劇的に変える力を持つ素晴らしい治療法ですが、虫歯のリスクがゼロになるわけではありません。むしろ、**「虫歯にならないために、より一層のケアが必要になる」**と理解しておくべきです。
大切なのは、**「美しさの維持=健康の維持」**という意識。歯科医院との信頼関係、自宅での丁寧なセルフケア、そして自分の歯に対する関心を高く持つことが、虫歯予防の最も確実な方法です。