鏡を見るたびに気になる前歯のすき間。笑ったときに見えてしまう「すきっ歯」は、見た目のコンプレックスだけでなく、発音や食事にも影響を与えることがあります。とはいえ、矯正治療は「高い」「時間がかかる」「大がかり」というイメージが先行して、なかなか踏み出せない方も多いのではないでしょうか?

そんな方におすすめなのが「部分矯正」です。今回は、すきっ歯を部分矯正で改善する方法について、費用や期間、メリット・デメリットなどを詳しく解説します。


そもそも「すきっ歯」とは?

すきっ歯(正式には「空隙歯列(くうげきしれつ)」)とは、歯と歯の間に不自然なすき間がある状態を指します。特に前歯に隙間がある場合、「正中離開(せいちゅうりかい)」と呼ばれます。

主な原因は以下の通り:

  • 顎の大きさに比べて歯が小さい
  • 舌癖(舌で前歯を押す癖)
  • 遺伝的な要因
  • 永久歯の欠損
  • 歯周病による歯の移動

部分矯正とは?

部分矯正(MTM=Minor Tooth Movement)とは、歯列全体ではなく、一部の歯だけを動かす矯正方法です。すきっ歯の場合、前歯の2〜6本程度を対象に矯正を行います。

主な方法には以下のようなものがあります:

  • ワイヤー矯正(ブラケットを付ける)
  • マウスピース矯正(インビザラインGOなど)
  • セラミック矯正(被せ物で見た目を整える)

すきっ歯に部分矯正は効果ある?

結論から言うと、多くのケースで効果はあります。特に前歯の軽度〜中等度のすき間であれば、部分矯正だけで十分に改善が可能です。

ただし、原因によっては部分矯正だけでは効果が出にくい場合もあります。例えば、舌癖が原因である場合、矯正後に再発するリスクがあるため、舌のトレーニング(MFT)が必要になることもあります。


部分矯正のメリット

① 費用が安い
全体矯正に比べて治療範囲が限られるため、費用は大幅に抑えられます。相場は10〜50万円程度

② 期間が短い
全体矯正では2〜3年かかることもありますが、部分矯正なら3ヶ月〜1年程度で終わることもあります。

③ 見た目の改善が早い
前歯のすき間が閉じるだけで、印象は大きく変わります。笑顔に自信が持てるようになります。

④ 痛みや負担が少ない
動かす歯が少ないため、痛みや違和感も比較的軽く済みます。


デメリット・注意点

① 適応範囲が限られる
部分矯正はすべてのすきっ歯に適しているわけではありません。歯並び全体に問題がある場合は、全体矯正が必要です。

② 後戻りのリスク
矯正後にリテーナー(保定装置)を使わないと、歯が元の位置に戻ってしまう可能性があります。

③ 根本的な原因への対応が必要
舌癖や歯周病など、すきっ歯の原因を取り除かないと再発の可能性があります。


治療の流れ

  1. カウンセリング・診断
    歯科医による口腔内のチェックやレントゲン、歯型の採取を行います。
  2. 治療計画の作成
    部分矯正で対応できるかを判断し、必要に応じて他の治療法も検討します。
  3. 矯正装置の装着
    ワイヤーやマウスピースを用いて、実際に歯を動かします。
  4. 経過観察と調整
    1〜2ヶ月ごとに通院して、矯正装置の調整や進行状況の確認を行います。
  5. 保定期間
    矯正後はリテーナーを装着し、歯並びを安定させます。

気になる費用と保険適用

部分矯正は基本的に自費診療になります。マウスピース矯正であれば15〜40万円、ワイヤー矯正でも10〜30万円程度が相場です。

ただし、歯周病などの疾患が原因で治療が必要な場合、一部が保険適用になることもあります。まずは歯科医院に相談しましょう。


まとめ:すきっ歯の改善は思っているより簡単かも

すきっ歯に悩んでいる方の中には、「今さら矯正なんて…」とためらっている方も多いかもしれません。しかし、部分矯正なら費用も期間も比較的軽く、思ったよりも手軽に理想の口元に近づくことができます。

コンプレックスを解消し、もっと自信のある笑顔を手に入れたいと思っているなら、一度歯科医院で相談してみてはいかがでしょうか?


最後にアドバイス:
部分矯正を検討する際は、矯正専門医マウスピース矯正に実績のある医院を選ぶのがポイントです。無料相談を行っている歯科も多いので、複数を比較して納得のいく治療を選びましょう。