インプラント治療においては、すでに歯がないところにインプラントを埋入する場ことが多いですが、「まだ歯があるが、抜歯が決まっている」という場所もあります。 そのような場所に抜歯即時ににインプラントを入れるのは第一選択ではありません。 基本形は抜歯後数か月~1年くらい待って骨が出来上がって肩埋入するのが一番安全です(待時埋入)。 が、しかし、抜歯即時にインプラントが入れられれば、 治療期間は短くて済むし、抜歯後骨が痩せてしまう前に入れられるというメリットもあります。 今回は抜歯即時インプラント埋入が可能な場合とそうでない場合を比較しています。 最終的な判断は術者になりますが、場合わけをして説明します。
〇抜歯即時埋入が可能なケース・難しいケース
●①感染の有無
■可能なケース
- 根尖病変がない、もしくは軽度
- 歯周病が進行していない
- 抜歯窩が比較的クリーンにできる

👉ポイント
「細菌感染をほぼリセットできるかどうか」
■難しいケース
- 大きな根尖病巣がある
- 排膿や強い炎症がある
- 重度歯周病で骨が溶けている

👉こういう場合
→ 一度治癒を待つ(待時埋入)が基本
●②骨の量と形(これが実は一番重要)
■可能なケース
- 抜歯窩の外側の骨(特に頬側骨)がしっかり残っている
- 初期固定(トルク)がしっかり取れる
- インプラントを安定して固定できる骨がある
👉特に前歯
「頬側骨があるかどうか=審美の分かれ目」
■難しいケース
- 頬側骨が薄い/欠損している
- 抜歯と同時に骨壁が崩れる
- 初期固定が得られない

👉この場合
→ GBRや待時埋入の方が安全
●③埋入位置のコントロール
■可能なケース
- 理想的な位置にインプラントを入れられる
- 抜歯窩に引っ張られずに設計できる
👉即時埋入の落とし穴
「穴の位置に流されること」
■難しいケース
- 抜歯窩の位置が理想とズレている
- 傾斜してしか入れられない
- 将来の補綴が不利になる

👉こういう時は無理しない
→ 待時埋入の方が結果が良い
●④審美領域かどうか(前歯か奥歯か)
■可能なケース
- 前歯で歯肉ラインを保ちたい
- 即時仮歯を入れることで形態維持が可能
👉メリット
「歯茎が痩せにくい」
■難しいケース
- 歯肉の厚みが薄い(薄いバイオタイプ)
- 歯肉退縮リスクが高い

👉結果
→ かえって審美性が悪化する可能性あり
●⑤全身状態・習癖
■注意が必要
- 喫煙
- 糖尿病(コントロール不良)
- 強い咬合力・歯ぎしり

👉即時埋入は
「成功条件がシビア」というよりこのような患者さんはインプラント治療そもそもがリスキーです。
〇まとめ
👉一言で伝えるとするならこうです
「抜いたその日に入れられるかどうかは、
“骨の状態・感染・安定性”で決まります」
〇臨床的な本音(術者目線)
正直なところ、
- 即時埋入は「できる」ではなく
👉「条件が揃えばやっても良い」治療 - 待時埋入は
👉「確実性を優先する治療」 です。
〇ですから最後に
👇
抜歯即時埋入は魅力的な方法ですが、
無理に選択することで長期的な結果が悪くなることもあります。
見た目や期間だけでなく、“長く持つかどうか”を重視して治療法を選ぶことが大切です。























