皆さんは、自分の歯にどれくらい自信がありますか?
「ボロボロになってからじゃ遅い」とはよく言われますが、実際に歯がボロボロになってから初めて、その言葉の重みを知ることになります。
今日は、私自身の体験も交えながら、「歯がボロボロになった末の総入れ歯」という選択について、正直にお話ししたいと思います。

歯の健康は、いつのまにか崩れていく

若い頃、正直言って歯のことなんてあまり考えていませんでした。
虫歯になっても、「痛くないし、まだ大丈夫」と先延ばし。歯医者に行くのは痛みが限界を超えてから。そんな生活を何年も続けてきた結果、気がついた時には前歯も奥歯もグラグラ、口の中は常に違和感があり、食事も美味しく感じない状態に。

それでも、「総入れ歯」なんて自分には無関係だと思っていました。
ところが、歯医者で言われたのです。

「このままだと、すべての歯を失う可能性があります。」

ボロボロの歯で生きる苦しさ

ボロボロの歯は、見た目だけの問題ではありません。
噛む力が弱くなり、食べられるものが限られてくる。肉や野菜は細かく切らないと無理。硬いものは避けるようになり、結果として食生活のバランスも崩れていきました。

さらに深刻だったのが、会話。
歯が抜けたことで、発音が不明瞭になり、人前で話すのが恥ずかしくなっていきました。人付き合いも次第に消極的になり、外に出ることすら億劫になる悪循環。

歯の健康が、これほどまでに日常生活や精神面に影響を与えるとは、本当に想像もしていませんでした。

総入れ歯という選択

そんなある日、思い切って総入れ歯を提案されました。

正直、ショックでした。
「もう自分の歯では生きていけないのか」と思うと、年齢以上に老けたような気がして、自尊心がズタズタになったのを覚えています。

でも、同時に「ここで何かを変えないと、もっと大変なことになる」とも感じました。
治療の選択肢としては、インプラントや部分入れ歯も検討しましたが、私の場合は歯茎の状態や予算の面から総入れ歯が最も現実的という判断になりました。

初めての総入れ歯生活

装着してすぐは、違和感の連続。
食べ物の味が変わったように感じるし、話す時もカチカチと音が鳴ったり、口の中で浮いたような感覚がありました。

でも、数週間もすると、だんだんと慣れていくのです。

最初は「もう人生終わった…」なんて思っていたのが嘘のように、総入れ歯の生活に適応していきました。
むしろ、きちんと噛める喜び、発音の明瞭さ、見た目の改善など、総入れ歯にして得られたメリットの方が大きくなっていったのです。

総入れ歯のメリットと注意点

メリット

  • 全ての歯を失っていても対応可能
  • 噛む力がある程度回復する
  • 見た目が自然で、若返った印象になる
  • 発音や会話がスムーズになる

注意点

  • 慣れるまで時間がかかる
  • お手入れが必要(毎日の洗浄や保管)
  • 固いものや粘着性の強い食べ物には注意が必要
  • 作り直しや調整が必要になる場合もある

自分を取り戻すきっかけに

「歯がボロボロになってしまったら終わり」ではなく、「そこから自分を取り戻すきっかけにできる」ということを、私は総入れ歯を通して学びました。

確かに、元の歯には戻れません。でも、総入れ歯のおかげで食事が楽しくなり、人前でも笑えるようになった。
これだけで、人生の質は劇的に上がります。

歯を失ってしまったあなたへ

もし、この記事を読んでいるあなたが「歯がボロボロでどうしようもない」と悩んでいるなら、一度きちんと歯医者に相談してみてください。
怖い気持ちも、不安も分かります。でも、今のまま放置しても何も変わりません。

歯を失うことは、確かにショックです。
でも、総入れ歯という選択は、決して「終わり」ではなく「新しいスタート」です。