個人情報が含まれておりますので、時期などはずらして記載しております。
〇きっかけ
この方は元々左下の臼歯に健康保険のブリッジが入っていました。

ところが一番後ろの7番が根尖病巣により炎症が起き、抜歯をせざる負えなくなりました(70才)


上のイラストは根尖病巣のイメージ図です。 歯根に細菌が入り込み根の周りに炎症を起こします。
時には激しい痛みや腫脹を伴いますが、案外無症状で患者さん自身気が付いていない場合もあります。

上のイラストは抜歯時の操作を模式的に表しています。 ブリッジの5番6番間で切断し、7番を抜いて行きます。
5番は問題ない歯なので、切断面を整えそのまま利用してゆきます。 ブリッジごと引っ張ると5番も抜けてしまうので切断しているわけです。
〇抜歯後
抜歯後の歯肉の直りは1ヵ月もすると「つるんとした歯茎」になり、 一見安定したように見えますが、実際には細胞が活発に入れ替わっており、 本当に安定するのに8か月~12か月かかるといわれています。


〇義歯
実際には抜歯2か月後に健康保険で義歯をつくりました。

写真はイメージ図です。大体このような構造物が下顎に入ったのだと思ってください。
そして4年後に義歯が壊れ、2個目の義歯をお入れしました(74歳)
〇義歯からインプラントへ
義歯が入って1年後、患者さんからの希望によりインプラントを入れることになりました。
やはり義歯だと「取り外しが面倒だ、しっかり噛めない」ということでした。
当時は「インプラントの本数は元々の歯根の本数に合わせるべし」というコンセプトがあったのですが、6番7番の2本分の歯根の数は4本です。 合計4本のインプラントでは「そこまで多くなくても機能できるであろう」と予測出来ました。

そこで3本のインプラントで6番7番部分をカバーするように計画を立てました。
今だと2本のインプラントでブリッジ状にして作ったかもしれません。

〇実際のインプラントオペ(当時75歳)閲覧注意
2020年1月インプラントオペを行いました。AQBインプラントのわんぴーしタイプを選択しました。 ワンピースタイプはオペ回数が1回で済むメリットがありますが、その分術後管理はややシビアです。
麻酔を十分に効かせたのち、歯肉を切開して開き、下顎骨を露出させます。
5番の後ろに一本目のインプラントを入れますので、細いドリルでまず穴をあけ、その状態でレントゲン撮影をし、深さや方向を確認します。

確認後、次にその穴を広げインプラントが入るようにします。そこに仮インプラントを入れ、その方向を頼りに2本目のインプラントの穴をあけます。

2本目のインプラントの穴(インプラント窩)に仮インプラントを入れ、その方向を頼りに3本目のインプラント窩を空けます。

計画した位置にインプラント窩3個が開けられたら、インプラントを埋入します。

上手く埋入できたので、歯肉を閉じ縫合、治癒を待ちます。
オペ時には抗生物質を処方ます。一般的にはジズロマックを3日分投与することが多いようです。
また、痛み止めも投与します。実際には大して痛くないことも良くあり「重痛いので2~3回飲んでみたけれど今は大丈夫」という方が多いです。
「結構痛かった」という患者さんも持ち路にらっしゃるのですが、全体の5%に満たない感じです。
〇仮歯
ワンピースインプラントの場合、口腔内にインプラントの上半分が出ています。 そこに仮歯を入れることができます。 しかし、基本的にインプラントには2か月の間力が加わってほしくないので、 噛むには高さが足りないような「小さな仮歯」を作って当日に入れています。
オペ後一週間で抜糸。歯肉はそのくらいでくっつきますが、 骨とインプラントは2か月かけて徐々にくっついてゆきます。
〇オペ後
3か月がたった時点でレントゲンなどで正常にインプラントが結合していることを確認。

歯に被せ物を作るのと同じ段取りで上部構造(3連冠のクラウン)を装着し、治療を終えました。
〇現在(81歳)
特に問題なく機能しております。
が、心配なのは患者さんが年々歯磨きが下手になりつつあることです。 インプラントは万能ではありませんので、 歯周病(正式にはインプラント周囲炎と言います)にならないか懸念されます。
毎食後すぐうがいをする、とか 短い期間で定期的にクリーニングをしに歯医者に通うなどの対策が推奨されます。

























