― 患者さんからよくある質問に歯科医師が答えます ―
歯科医院でインプラント治療を検討されている方、すでにインプラント治療を受けられた方から、次のような質問をよくいただきます。
- 「インプラントを入れたら、CT検査はできなくなりますか?」
- 「将来、MRI検査が必要になったとき大丈夫でしょうか?」
- 「金属が入っていると危険だと聞いたのですが…」
結論からお伝えします。
歯科インプラントが入っていても、CTもMRIも原則として問題なく撮影できます。
この記事では、
- CTとMRIの違い
- なぜインプラントがあっても大丈夫なのか
- 銀歯・金歯・入れ歯はどうなのか
といった点を、できるだけわかりやすく解説していきます。
そもそもCTとMRIは何が違うの?
まずは、CTとMRIがどのような検査なのかを簡単に整理しましょう。
CT(コンピュータ断層撮影)とは

CT検査は、X線(レントゲン)を使った検査です。
体の周囲から細かくX線を照射し、体を通過したデータをコンピュータで処理することで、体の断面像を作り出します。
歯科では
- インプラント治療前の骨の状態確認
- 親知らずと神経の位置関係
- 上顎洞(副鼻腔)の確認
などに日常的に使われています。
MRI(磁気共鳴画像診断)とは
MRIはX線を使いません。
強い磁気と電波を利用して体の内部を画像化する検査です。
特に
- 脳
- 脊髄
- 靱帯や筋肉
- 内臓の一部
などの診断に優れています。
CT検査で「金属を外してください」と言われる理由
CT検査の前に
「金属類は外してください」
と言われた経験がある方も多いと思います。
これは、金属アーチファクトと呼ばれる現象を防ぐためです。
金属アーチファクトとは?
金属にX線が当たると、光が乱反射したような**白くにじんだ虚像(ノイズ)**が写ることがあります。
これを「アーチファクト」と呼びます。
アーチファクトが強いと、
- 本来見たい臓器が見えなくなる
- 正確な診断ができなくなる
という問題が生じます。
それでもインプラントはCT撮影して大丈夫な理由
「インプラントも金属なのに大丈夫なの?」
と不安になる方もいらっしゃいます。
インプラントの素材は「チタン」
現在使われている歯科インプラントのほとんどは、チタンという金属でできています。
チタンの特徴は
- X線をほとんど吸収しない
- アーチファクトが非常に少ない
という点です。
実際にインプラントが入っている方のCT画像を見ると、
- 被せ物(銀歯など)からは強いアーチファクトが出る
- インプラント体そのものからは、ほとんどアーチファクトが出ない
というケースがほとんどです。
👉 つまり、CT検査においてインプラントはほぼ問題にならないということです。


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MRI検査とインプラントの関係
MRI検査では、強い磁気を使用します。
そのため、磁気に反応する金属が体内にあると問題になります。

チタンは磁気に反応しない金属
チタンは「非磁性金属」と呼ばれ、磁石に反応しません。
そのため、
- インプラントが磁石に引き寄せられる
- 体内で動く
- 発熱する
といった心配は基本的にありません。
👉 インプラントが入っていても、MRI検査は原則可能です。
※ただし注意点があります。
磁石で固定する義歯がある場合
インプラントの上に
- 磁石で着脱する入れ歯
- マグネットアタッチメント
が使われている場合は、MRIができないことがあります。
この場合は、必ず事前に医師や検査技師へ伝えてください。
CTやMRIが「できない」ことがあるケース
インプラントとは別に、注意が必要なケースもあります。
CT検査ができないことがあるもの
- 埋め込み式ペースメーカー
- 植込み型除細動器
連続したX線照射により、誤作動を起こす可能性があるためです。
MRI検査ができないことがあるもの
- ペースメーカー・除細動器
- 人工内耳
- 脳動脈クリップ
- 磁力で固定されている義眼
- 一部の人工関節
これらは磁気や電気刺激で影響を受ける可能性があります。
👉 最終的な判断は、必ず検査施設で行われます。
銀歯や金歯はMRIで大丈夫なの?
患者さんからよくある疑問のひとつです。
「MRIは金属禁止と聞いたのに、なぜ銀歯や金歯はいいの?」
結論:ほとんどの場合、問題ありません
一般的な銀歯(金銀パラジウム合金)や金歯は、
- 磁性が非常に弱い
- MRIで危険になることはほぼない
とされています。
ただし、
- 外せる金属は外す
- 検査中に違和感があればすぐ伝える
というのが原則です。
入れ歯はなぜ外すの?
入れ歯には
- 磁性をもつ金属
- ワイヤーやクラスプ
が使われていることがあり、
- 磁場を乱す
- 画像が歪む
原因になるため、原則外します。
まとめ|インプラントがあっても心配しすぎなくて大丈夫です
- 歯科インプラントがあってもCT・MRIは基本的に問題ありません
- インプラントの主素材であるチタンは、安全性が高い金属です
- 磁石を使った義歯や特殊な医療機器がある場合は注意が必要です
- 不安な場合は、事前に歯科医師や検査技師に相談しましょう
インプラント治療を検討されている方の中には、
「将来の検査が心配で踏み切れない」
という方もいらっしゃいます。
しかし、CTやMRIが受けられなくなることを理由にインプラントを諦める必要はほとんどありません。
ご不明な点があれば、いつでもお気軽にご相談ください。
患者さんが安心して治療を受けられるよう、丁寧にご説明いたします。






















