歯を失ったときの代表的な治療法のひとつに「ブリッジ」があります。インプラントや入れ歯と比べてもなじみが深く、保険診療で受けられることから、比較的手軽に選ばれる治療法です。

しかし、実はブリッジにも健康保険が適用されるものと、自費(保険外)で行うものがあるのをご存じでしょうか?
この違いによって、治療費はもちろん、使われる素材や見た目、耐久性などが大きく変わってきます。

この記事では、ブリッジ治療における健康保険と自費の違いを詳しく解説し、どちらを選ぶべきか、後悔しない選び方のポイントも紹介します。


1. ブリッジ治療とは?基本の仕組みを知ろう

まずは、ブリッジの基本的な仕組みについて簡単におさらいしましょう。

ブリッジとは、歯を1本または複数本失った場合に、両隣の健康な歯を土台として橋渡しのように人工の歯を固定する治療法です。そのため、少なくとも失った歯の両隣にしっかりとした歯があることが条件になります。

メリット:

  • 固定式なので違和感が少ない
  • 比較的短期間で治療が完了
  • 保険診療が可能(条件あり)

デメリット:

  • 支えとなる健康な歯を削る必要がある
  • 土台となる歯に負担がかかる
  • 清掃が難しく、虫歯や歯周病のリスクがある

2. 健康保険でできるブリッジ治療の特徴

日本では、一定の条件を満たせばブリッジ治療に健康保険が適用されます。以下は保険適用のブリッジの主な特徴です。

素材の制限

保険診療では使用できる材料が法律で決められており、以下のような素材が一般的です。

  • 前歯:硬質レジン前装冠(金属の土台にプラスチックをかぶせたもの)
  • 奥歯:銀合金(いわゆる銀歯)

見た目に制限あり

前歯には白いプラスチックが使われますが、経年劣化で変色したり、プラスチック部分が割れることもあります。
奥歯は基本的に銀歯なので、笑ったときに目立つというデメリットも。

費用が安価

費用は3割負担で済むため、比較的安く治療が受けられるのが最大のメリットです。
例:3本ブリッジ(前歯)で約1〜2万円(自己負担額)程度。


3. 自費のブリッジ治療とは?自由度の高い治療内容

一方、自費診療のブリッジでは、使える素材や設計に制限がなく、審美性や耐久性を重視した治療が可能になります。

豊富な素材の選択肢

  • オールセラミック:天然歯に近い見た目で変色なし
  • ジルコニア:非常に硬く、白く美しい
  • メタルボンド:金属の土台にセラミックを焼き付けたもの(見た目と強度のバランス良し)

これらの素材は、見た目の自然さや長持ちする点で大きなメリットがあります。

高い精度と耐久性

自費診療では、CAD/CAMなどの先進的な技術を使って精密に製作されるため、適合性が高く、虫歯や歯周病のリスクを下げられます。また、素材自体の耐久性も高く、10年以上もつケースも多いです。

費用は高額になる

当然ながら、自由診療は全額自己負担となるため、1本あたり10万円〜20万円前後が相場となります。
ただし、治療の質を重視する方には納得の価格といえるでしょう。


4. 健康保険と自費の違いを一覧で比較!

項目健康保険自費診療
費用安い(3割負担)高い(全額自己負担)
素材銀歯、レジンセラミック、ジルコニアなど
見た目不自然になりやすい天然歯に近い自然な仕上がり
耐久性比較的短い(5〜7年程度)長い(10年以上も可)
精度標準的高精度な作製が可能
保証なし〜短期長期保証があるクリニックも

5. どちらを選ぶべき?判断ポイントはココ!

保険と自費、どちらを選ぶかはご自身のライフスタイルや優先順位によって変わります。

保険診療がおすすめな人

  • とにかく費用を抑えたい
  • 奥歯で見た目はあまり気にしない
  • 一時的な処置として考えている

自費診療がおすすめな人

  • 見た目を大切にしたい(前歯・笑顔に影響)
  • 長持ちする治療を望んでいる
  • 健康な歯を極力守りたい
  • 治療の質や快適さを重視する

6. まとめ:後悔しない選択のために

ブリッジ治療における健康保険と自費の違いは、見た目、素材、耐久性、費用の4つに集約されます。

安価に済ませたい場合は保険診療でも十分なケースもありますが、長期的に見て美しさ・快適さ・持ちを重視するなら自費診療を検討する価値は大いにあります

どちらを選ぶにしても、信頼できる歯科医院でしっかりとカウンセリングを受けることが大切です。治療内容や費用について十分に説明を受け、自分にとって最適な方法を選びましょう。


あなたの大切な歯を守るために、納得のいく治療選択を。